特定の「この曲」を実際にピアノで弾きたい、という衝動に駆られて色々とやった記録です。
譜面の準備
譜面は公開されていないだろうなと思って最初は自力で耳コピするつもりでしたが、耳コピされた方が配布している MIDI を web で入手出来て、とりあえずそれを譜面作成ソフトを使って譜面化。
私自身の問題点
これでピアノ譜面の準備はできましたが、しかし、私は楽譜を実用レベルでは読めなくて、楽譜を解読しながら指の動きを身体に覚え込ませてようやく曲の一部を弾けるようになる、というレベルです。
なので、せめて効率よく覚える方法はないものかと考えてみました。
譜面をピアノロール的に表示するソフト
楽譜を読めるようになることではなくて、特定の曲だけをピアノで弾ければ良いという目的なので、楽譜を読まなきゃいけないという考えを捨てて、ピアノロール的なものを表示して直感的に押す鍵盤が分かる方法で練習したら良いのではないかと考えました。
作曲ソフトのピアノロールは横スクロールですが、今回は縦にスクロールするピアノロール的な表示が望ましいです。譜面が縦スクロールするタイプの音ゲーみたいな表示です。
MIDI Visualizer
音ゲーのような感じで押すキーに対応した帯が上から落ちてくる、MIDI Visualizer と呼ばれるツールを利用しました。
MIDI Visualizer は MIDI ファイルがあれば良いので、MIDI から譜面を作った意味がなくなってしまいますが、まあ仕方ないです。
類似のツールは複数あるようですが、いくつか試そうとしたところ、
Embers
軽く調べて出てきた MIDI Visualizer の中で、私の環境でちゃんと動作した Embers を使うことにしました。
ただ、使用するうえで注意する部分もあって、
- MIDI ファイルの名前かパスに日本語が含まれているとダメぽい。
- フルスクリーンからウィンドウモードに切り替えても、いつの間にかフルスクリーンに戻ってしまう。
設定についてはこちらの記事を参考にしました。
Embersについて
Background の Guide は背景の縦線なので、練習目的の場合は表示しておいた方が迷子になりにくいかと思います。
MIDI を再生して動画化
Embers は MIDI を縦のピアノロール的に表示するソフトですが、途中で一時停止したり譜面の任意の場所に移動したりはできません。
実際にピアノの練習をする際に、ピアノロール的な表示を任意のタイミングで再生・停止したり、トラックバーなどで進んだり戻ったりしたかったので、Embers で再生するだけではやりたいことができません。
そこで、Embers で MIDI を再生している所を録画して動画ファイル化することにしました。実際の練習の時はタブレット PC を使って動画再生ソフトでその動画を再生すれば、一時停止や任意の位置に移動ができます。
Embers の有償版だと動画ファイルに出力する機能もあるらしいですが、PC 画面の録画環境があるなら無料版の画面を普通に録画すれば十分です。
単にピアノの上達が目的であるならピアノ練習用のソフトだってあるのでこんなことするよりも確実かと思いますが、今回は特定の「この曲」をピアノで弾きたいという目的があり、楽譜の解読にムダに時間を使うよりかは効率よいハズだと考えてこんな面倒なことをしています。
実際に使ってみて
やる前からなんとなく分かってはいたけど、この方法はこの方法で訓練が必要です。
物理的なサイズ差の問題
タブレット PC を譜面台に載せて練習していたのですが、物理的な鍵盤のサイズに対してどうしてもタブレット PC の画面内の鍵盤は小さいので、脳内でリサイズするか再配置するかが必要になります。
このリサイズ and or 再配置に脳内のリソースを取られるので、動画の再生速度を遅くしてもリアルタイムで正しい鍵盤の位置に指を動かすためのリソースが足りなくなってしまいました。
鍵盤から目を離せない問題
また、指先から目を離してピアノを弾くことができないので、楽譜だろうとピアノロール的なものであろうと、リアルタイムでお手本を見ながら弾くということが私にはできません。
目を離しながらでも弾けるようになる訓練も必要。
1曲分をまるまる体で覚えてようやく通して弾けるようになる、ということしかやって来なかったことが悪い方向に影響しています。
譜面の手動スクロールの頻度の問題
お手本を見ながらリアルタイムで弾くことができない問題があるために、ピアノロールの自動スクロールを活用できなくて手動でスクロールする必要があり、その頻度はかなり高いです。
この手動スクロールが想像していた以上に手間。一度に見渡せる範囲は普通の楽譜のほうがはるかに広いので、手動で譜面送りするなら普通の楽譜のほうがマシな訳です。
その他の気付いたこと
練習をしていて譜面にメモ書きをしたくなることがあるのですが、動画化したピアノロール的な表示ではメモ書きができないという、当たり前のことのハズなのに事前には気付いていなかった問題もありました。
一度に見渡せる範囲は普通の譜面のほうが圧倒的に広く、しかも情報の密度も普通の譜面のほうが圧倒的に濃いです。紙に印刷した譜面ならメモ書きも容易にできます。
自分の圧倒的な技量不足と、普通の譜面の優位性を再確認することができました。
結局どうなったか
おとなのための楽しいピアノスタディ ブラインドタッチで弾ける
ピアノロール的な表示を使うにしても普通に譜面を見るにしても、指先を見ていないとまともに弾けないためそもそもスタートラインにすら立ててない状況であることを自覚して、まずはそこの訓練をしないことには何もできないと判断しました。
たまたまこの本をお勧めする声を見かけたので、この本を買って練習することにしました。
楽をしようとしたけど基礎がなっていなさ過ぎて楽な手も使えず、結局は基礎からやることにした、という結末。先は長いです。
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