用語集 主要なRTA・Speedrunイベント、Twitch関連

RTA イベント関連の用語についてまとめています。また、RTA 全般の用語、ミーム関連の用語をそれぞれ別ページにまとめています。

索引

主要な RTA・Speedrun イベント、Twitch 関連


RTA in Japan (RiJ)

公式サイト | 公式Twitter
配信チャンネル | 寄付ページ

2016年の12月から開催されている日本国内最大級の RTA イベント・チャリティーイベント

年に2回開催されていて、開催時期によりイベント名に違いがある
 イベント名の命名規則はこれまでに2回変更されており、現在の命名は次のようになっている

RTA in Japan Winter ****(RiJW****)
12月に開催される
RTA in Japan Summer ****(RiJS****)
8月に開催される

2018年冬の RiJ3 からチャリティーグッズ販売が開始され、2020年夏の RiJO2020 からは協賛のアパレルブランド無敵時間によってグッズ販売が行われている

RiJS2021 からは視聴者が直接寄付を行える仕組みが導入され、RiJW2021 からは海外の Speedrun イベントのような寄付額投票Bids、Bids War)も行われるようになった
(RiJS2021 以前は、Twitter 投票により視聴者がプレイヤーの行動に影響を与えることができる視聴者参加型の企画を実施していたが、これが寄付額投票に変更された)

イベントごとの寄付金額は図のようになっている
イベントごとの寄付金額

RiJ2020 では、プレイヤー自身が設定した制限時間以内に作曲を行うという、それまで採用されてきた RTA とは異なる目標設定の RTA が採用された
 その次の RiJS2021 からは応募要項いわゆるスーパープレイなど、RTA以外の応募も可能ですと明記されるようになった

2020年に一般社団法人化し、同時期にロゴの商標登録を出願

夏と冬の定期イベントの他に、不定期のイベントが行われることもある
 また、チャンネルの貸し出しも行っており、個人企画の RTA イベント配信に利用されている

なお、RiJ は RTA のルール策定などには関与しておらず、記録の承認などに対しても関与していない
 基本的に、RTA のルールは、競技人口の多いゲームタイトルの場合はゲームタイトルごとに存在するコミュニティによって、競技人口の少ないゲームタイトルの場合は最初に RTA を行った者によって、決められることが多い


以前の説明文

2016年の12月から開催されている日本国内最大級の RTA イベント
 Twitter 投票により、視聴者がプレイヤーの行動に影響を与えることができる、視聴者参加型の企画も実施されている

年に2回開催されていて、開催時期により次のような名称が使用されている

RTA in Japan **(RiJ**)
12月に開催される、オフライン+ネット配信イベント
RTA in Japan Online **(RiJO**)
8月に開催される、オンライン配信イベント

(この**はナンバリングの数字が入る)

初回の RiJ、RiJO は数字なし、各2回目と2018年の RiJ3 までは通し番号でナンバリングされていたが、2019年の RiJO2019 からは開催年の数字を付けるようになった

オンラインイベントの RiJO** に対してオフラインイベントの RiJ** を「冬の本番」と呼ぶこともある
また、RiJ に対して GDQ のことを「本家」と呼ぶこともある

2020/6/14 に公式サイトにて一般社団法人化したことを発表
2020/6/22 出願でロゴを商標登録

RiJO2020 ではアパレルブランドの無敵時間が協賛してチャリティグッズの販売を行い、その売り上げから 2,000,000 円の寄付が行われた


Games Done Quick (GDQ)

公式サイト | 公式Twitter
配信チャンネル | 日本語再配信チャンネル

アメリカで2010年1月から開催されている、今では約1週間に渡りホテルを貸しきって行われるようになった、世界最大規模の Speedrun を通したチャリティーイベント
 今では年に2回+α開催されていて、開催時期により寄付先がほぼ決まっている

Awesome Games Done Quick ****(AGDQ****)
1月に開催され、寄付先は Prevent Cancer Foundation(ガンの予防に取り組む財団)
Summer Games Done Quick ****(SGDQ****)
6月 or 7月に開催され、寄付先は Doctors Without Borders(国境なき医師団)

また、2018年10月にオンラインイベントとして Games Done Quick Express が開催されており、2019年9月にも開催される予定となっている

普通に寄付をするだけの Donate の他に、寄付を促進する仕組みとして Bid(入札)、Bid War(入札競争)がある
 詳細は本ページ内 Bids を参照

SGDQ2019、AGDQ2020 では300万ドルを超える寄付金が集まった

イベントごとの寄付金額
SGDQ2017 から Twitch の Japanese_Restream チャンネルにて本家配信に日本語解説を載せた公式再配信が行われている

このような RTA を通して社会貢献できるイベントを日本国内でも実施したいとして始まったのが RiJ である。また、RiJ の Twitter 投票は本家の Bid War を参考にしているものと思われる

European Speedrunner Assembly (ESA)

公式サイト | 公式Twitter
配信チャンネル Stream 1, Stream 2
日本語再配信チャンネル, Stream 2

ヨーロッパで2012年8月から開催されている、ヨーロッパ最大規模の Speedrun を通したチャリティーイベント
 2017年までは年に一回の開催だったが、2018年2月から年に2回開催されている

European Speedrunner Assembly Winter **** (ESAW****)
7月頃に開催されている
European Speedrunner Assembly Summer **** (ESAS****)
2月頃に開催されている

stream 1 と stream 2 の2チャンネル同時配信を行っていることが特徴的で、それぞれで別々のスケジュールが同時進行しており、スケジュールの進行具合によって余裕のあるチャンネルに配信予定のゲームが移動することもある

ESAS2019 では8万ドル以上の寄付金が集まり、Swedish Alzheimer' s Foundation(スウェーデンのアルツハイマー病財団)に寄付された
 ESA でも Bid による視聴者参加型の企画が実施されている

ESAS2019 から Twitch の Japanese_Restream チャンネルにて本家の stream 1 配信に日本語解説を載せた公式再配信が行われており、ESAS2022 では Japanese_Restream が2チャンネルを使用して stream 1, 2 の同時再配信が行われた

セットアップ中に流れる映像

ESA ではセットアップ中にイベントの録画映像が流れることがある
 その回のイベント内の録画によって構成された「今回のハイライト」のようにイベント毎に更新される映像もあれば、複数回のイベントに渡って使用される映像もある

オリジナルソング
The SPEEDRUN song - "Frame Perfect"

youtube
配信アーカイブより抜粋

カウンター
OH MY GOODNESS (OMG)

配信アーカイブより抜粋
元ネタ Sonic The Hedgehog 1- 3:Shuffle Edition(ESAS2021)
元ネタの日本語再配信
(この回の ESA 再配信に載っている本家音声はゲーム音のみでマイク音はカット)

PRESS THE BUTTON

配信アーカイブより抜粋
元ネタ Castlevania: Symphony of the Night(ESAW2022)
元ネタの日本語再配信

Yooooooooooo.....

配信アーカイブより抜粋
元ネタ Trek to Yomi(ESAS2022)
元ネタの日本語再配信

CM
SPAM PLUM

Chenso Club のデモムービーのショートバージョン
youtube (full)
配信アーカイブより抜粋


RPG Limit Break (RPGLB)

公式サイト | 公式Twitter
配信チャンネル | 日本語再配信チャンネル

アメリカで開催されている、RPGに関連するゲームタイトルに特化した Speedrun を通したチャリティーイベント

直近の RPGLB2019 では20万ドル以上の寄付金が集まり、National Alliance on Mental Illness(NAMI、精神疾患の患者支援を行っている慈善団体)に寄付された

RPGLB2017 から Twitch の Japanese_Restream チャンネルにて本家配信に日本語解説を載せた公式再配信が行われている


セットアップ

RTA イベント等において、次に披露するゲームタイトルの配信準備のために設けられている、ゲームタイトルとゲームタイトルとの間の時間

このセットアップはイベント進行に関連した用語であり、別にタイム短縮技に関連したセットアップもあるので混同に注意


セットアップタイム、セットアップブロック

RTA イベント等において、トラブルによりスケジュールに遅れが生じても取り戻せるように設けられた余裕時間

進行が順調だった場合は余り時間となり、イベントによっては予定にはなかったボーナスゲームや時間余りを埋めるためのバックアップゲームなどが挿入されることもある


EST (Estimate)、予定時間

RTA イベントに申請する際にプレイヤーが決める、クリアまでの予定時間+αで、プレイングミスのリカバリなどを見越した時間設定をすることが多い

計測区間外の扱いは RTA・Speedrun コミュニティの文化やイベントの性質などによって異なっている
 例えば RiJ では、RiJS2021 以前は計測区間外の時間が必要であればそれを含めた時間を EST とすることが募集要項に明記されていたが、RiJW2021 以降は純粋にゲームプレイを行う時間のみを EST として申請するように変更された

国際的なイベントの場では Eastern Standard Time(東部標準時、北米の標準時間)の意味で使われることもあるため、少しややこしい


Bids、Bids War

GDQ や ESA、RPGLB といったチャリティーイベントとして行われる Speedrun イベントにおいて、単純に寄付するものとは別に、寄付することによってプレイ内容などに変化をもたらすことができる Bids(入札)、Bids War(入札競争)という仕組みがある

Bids は大きく分類すると、設定金額以上の寄付金が集まると効力を発揮する「目標金額方式」と、複数ある選択肢の中から最も寄付金を集めた項目に決定される「競争方式」とに分けられる
(ここで示している分類・名称は説明の都合上、この用語集の作者である私が独自に設定したものであり、非公式で一般的でもないことをご注意、ご了承ください)

目標金額方式の代表例

ボーナスゲーム
スケジュール調整のためのセットアップブロックを使ってボーナスゲームを実行する
目標金額を達成できなかった場合は披露されない

ペプシマン (SGDQ2018)
Japanese_Restream チャンネル

アップグレード
ゲームの難易度やカテゴリなどが、より難しく見ごたえのあるものへと変更される

スーパードンキーコング2 (SGDQ2019)
Japanese_Restream チャンネル
カテゴリを Any% から All Stages にアップグレードする

チャレンジ
通常の Speedrun では行わないような、実行には難易度の上昇が伴うことにチャレンジする
 隠しボスや DLC ステージといった通常はパスされるものを攻略したり、目隠ししてプレイするなど、その内容はゲーム内からプレイヤー自身のことまで多岐に渡る

ファイナルファンタジーVIII (AGDQ2020)
Japanese_Restream チャンネル
2分を超える長いメニュー操作区間を目隠しして行う、とあるが実際にはマップ移動どころか戦闘までも含む区間
(さすがにESTが長いので、動画へのリンクはピンポイントのシーンに飛びます)

競争方式の代表例

名前
キャラクター名やファイル名など、プレイヤーが任意に設定できる名前を Bid によって決定する

ファイナルファンタジーX (PRGLB2019)
Japanese_Restream チャンネル
召喚獣の名前がだいたいヴァルファーレ

Kill or Save the Animal
ゲーム中に登場する、とあるキャラクターを助けないか助けるかを選ぶ
(助ける場合は寄り道することでタイムが遅くなる場合が多いため、通常の Speedrun では見殺し)
Bid War の定番

Super Metroid Impossible (AGDQ2020)
Japanese_Restream チャンネル

日本からは Bid に参加することが難しい場合が多いが、クレジットカード会社によっては直接寄付することもできるとのこと
 日本から比較的簡単に寄付に参加するには、イベント期間中限定で販売されるグッズの購入を通して間接的に寄付する、という方法がある

クラウドコントロール

ゲーム配信において視聴者がゲームに介入できる仕組みの内のひとつ
詳細は Warp World, Inc の Crowd Control の公式ページを参照

ESA でよく行われている印象がある

基本的にはチャンネルサブスクや寄付を行うことで取得できる専用のコインを消費して支援に参加できる
 また、無料配布されるコインもあるため、金銭的な支援をせずとも介入に参加することができる

介入内容はゲームタイトルごとにあらかじめ複数の選択肢が決められており、選択肢によってコストが異なるが、プレイヤーにとって不利なものが好まれる

ゼルダの伝説 神々のトライフォース ランダマイザー(ESAS2019)では Twitch のチャンネル支援機能を通して介入できるクラウドコントロールが実施され、通常のランダマイザーであれば 1.5h くらいでクリアできるプレイヤーが EST 3h にて挑戦するも、激しい妨害により EST を超過する結果となった
(後のイベントでは同タイトル同カテゴリの EST は 3.5h に設定されるようになった)

SRE8 で行われた同タイトル同カテゴリでは、日本人からの組織的な支援の影響もあり、EST 3.5h 以内にクリアすることができずリタイアとなった

クラウドコントロールの実施例
ロックマンX(SRE8)
ゼルダの伝説 風のタクト(ESAW2022)
悪魔城ドラキュラX 月下の夜想曲(ESAW2022)
スターフォックス64(ESAW2022)
スーパーマリオカート(ESAW2022)


Oengus

参加者の募集からスケジュールの作成まで、RTAマラソンの運営を支援するツールを提供するwebサービス
 RiJ では RiJ2019 から使用されはじめ、それによって国内の RTA コミュニティ内での知名度が上がったように思う

読みはオェングス、オィンガス、エーンガス等、ケルト神話の時間と永遠を司る神とのこと
 機能を確認するためのサンドボックス版があり、その Aboutページを日本語表示すると発音は「アンガス」と書かれている
(この文を書いた時点ではあくまでサンドボックス版のみでの記載であるため、これを公式な発音と見なして良いのか? という思いもある)

Twitch

ゲームに特化した動画配信サイト
日本国内での知名度は低いように思うが、世界的にはメジャーな配信サイトのひとつ
 RiJ や Japanese_Restream ではメインの配信サイトとして使用されている

現状、利用配信者数の割合はにこ生:Twitch:Youtube=10:2:1くらい(RTA生放送中!によるサイト別配信数から集計)

にこ生から乗り換えた配信者や、にこ生の裏放送として利用している配信者もいる

エモート

Twitch の機能。チャットで使用できる絵文字
 配信チャンネルをサブスクライブする特典として、チャンネル独自のエモートが使用できるようになったりする

クリップ

Twitch の機能
 配信動画から30秒ほどのショートムービーを切り出して保存できる

RiJ のクリップJapanese_Restream のクリップ

サブスクライブ、サブスク

Twitch の配信チャンネルを金銭的に支援する仕組み。月額料金制
 Amazon プライム会員になっていると、1チャンネル分を無料でサブスクライブできる特典がある

ビデオ

Twitch の機能。配信動画のアーカイブ
 配信動画は一定期間後に消えてしまうが、配信動画をそのまま、あるいは任意の区間を切り出してアーカイブ化することで保存できる

RiJ のビデオJapanese_Restream のビデオ

モデレーター

Twitch での配信における管理権限者
 主にチャットの荒らし対策や URL の書き込みを行う権限者を示す
モデレーターのメッセージにはモデレーターを示すアイコンが表示される

RiJ のチャット欄は基本的に URL の書き込みができないように設定されており、例えば RTA イベントの参加者が説明の補足資料として URL を視聴者に知らせたい場合などに、業務連絡用のチャット経由でモデレーターによってチャット欄に URL の書き込みが行われるbr>

レイド

国内の RTA コミュニティにおいては、次の2つの意味で使用されている

  1. Twitch の Restream 間での国際交流文化
    ある Restream のモデレーターがレイド先とレイドメッセージを決めて、そのモレデーターのメッセージ投稿を合図にその Restream 視聴者がレイド先の Restream に一斉に同じメッセージを書き込み、即時撤退する
     ここではTwitch の機能としてのレイドは使用されない

    Japanese_Restream チャンネルにレイドが来た事例
    偶然か、ロシアとフランスから同時にレイド
    ドイツからのレイド
    (それぞれ、Touhou Luna Nights 前後、AGDQ2020)

    日本語 Restream から他言語 Restream へレイドを行うと、相手のモデレーターさんや視聴者さんが日本語で返してくれることが多いように感じる

    過去に、フライング投稿して荒らし扱いされたり、モデレーターが指定したメッセージと異なるメッセージを投稿して荒らし扱いされたり、チャットへの書き込み制限によりモデレーター一人による単独レイドが行われてしまうなどの悲しい事故があった

  2. Twitch の機能
    視聴者引き連れて別の配信チャンネルに移動する
     RiJ や Japanese_Restream でのイベント配信が終了したときに、Twitch で配信を行っている RTA プレイヤーのチャンネルにレイドが行われている

6 件のコメント:

  1. RiJでも2021 winterから寄付先投票(bid war)が採用されています。
    参考 : https://twitter.com/rtainjapan/status/1474943694247972864

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    1. ご連絡いただき、ありがとうございます。
      視聴者が直接寄付を行えるしくみの導入など新たに始まったことに対して、把握はしておりますが記事の更新が対応できておりません。
      古くなっている情報もあるため、近いうちに内容の更新をしようと思います。

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  2. RiJ の説明文の情報が古くなってきたため、新たな説明文に変更

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  3. クラウドコントロールを追加
    GDQ の寄付金額グラフを更新

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  4. ・ESA
    日本語再配信に関する説明を変更
    セットアップ中に流れる映像に関する記述を追加

    ・EST
    RiJにおける例を現状に合わせて変更

    ・セットアップブロック
    説明文を少し変更

    ・セットアップ
    追加

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  5. 索引部分の階層構造を見直し

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