パズルゲームをテーマとした RTA イベントに出演しましたレポート

パズルゲームをテーマとした RTA イベント、Puzzle Game RTA Festival 5 (PGRF5) に、バグと魔法使いというゲームの Any% というカテゴリで出場しました(アーカイブ

今回の目標

RTA イベントに応募するのが PGRF2 以来の 3 年ぶりで、その 3 年の沈黙を破って今回のイベントに応募した明確な理由があります。

RTA イベントなんだしタイム的な目標を掲げるのは自然なことかと思いますが、個人的にはそれ以上に重要な目標がありました。

  1. こんなにも面白いパズルゲームがあるということをみんなに伝えたい
  2. 合成音声による解説を出演者側・視聴者側の双方に示したい

比重としてはほぼ 1. の目標を達成することがほとんどで、ついでで 2. の目標もあるくらいの感じです。

目標それぞれの詳細

1. こんなにも面白いパズルゲームがあるということをみんなに伝えたい

なにより、このゲームのことをみんなに知ってもらいたい。

パズルゲーム対して強い関心を持っている人が集まるであろう PGRF だからこそ、パズルゲームとして非常に面白いと思っているこのゲームをアピールする場所として最適だと思いました。

チャット欄を見た感じ、ゲームシステムに感心する声やキャラクタや BGM を評価する声などがあり、このゲームに関心を持ってもらうことができたんじゃないかと思います。

自作のカスタムステージを公開しているので、ご興味あれば挑戦してみてください。

デモプレイについて

RTA を披露する前にデモプレイをしたのは、このゲームの魅力アピールの一環という意味合いが強いです。
RTA としてはスピーディーにステージをクリアしていくため、ゲームシステムやギミックを事前に説明しておいた方が良いだろうと考えたことも理由の一つではありますが、公式 PV でハートを直接移動して敵を倒すシーンを見たときのあの衝撃を体験してもらいたいと思ったことが、デモプレイをしようと決めた最大の理由です。

デモプレイではなく公式のデモムービーを流すだけで十分に魅力が伝わるんじゃないかとも思いましたが、あくまで RTA というゲームの二次創作的な遊び方をしているだけの身分で、公式のムービーをお借りするなんてとてもじゃないけど恐れ多くてお願いなんてできない。そんな訳で、デモプレイとしました。

RTA を披露する前にデモプレイをすることは応募の時点ですでに決めていたので、応募時の説明文でデモプレイ分を含めた予定時間であることを明記しています。

自分のことはどうでもよい

あくまでゲームが主役のつもりで構成を考えていたので、自己紹介や自分事の告知的なものは一切なしにすることも最初から決めていました。

自己紹介とか、告知とか、なにかしらプレイヤー自身のアピールをすることが割と定番な気もしますが、私の場合は自分自身をアピールする意思もないし、配信活動もたいしてしていないし、みんな私自身に対する興味なんてないでしょ? という思いもあります。

Livesplit の自作の拡張機能を宣伝したい気持ちはありましたが、このゲームをアピールしたいという第一目標がぼやけてしまう気がしたので、これも一切なしとしました。

他のイベントへの応募

応募を受け付けていた RTA イベントは他にもありましたが、仮に複数のイベントに受かったとしてもそれらの準備を同時に進められるほど器用ではないので、最初からこのイベントのみに絞ると決めていました。

2. 合成音声による解説を出演者側・視聴者側の双方に示したい

新鮮なスタイルという評価をいただくことができ、嬉しい限りです。
このようなスタイルも受け入れてもらえると分かったのも成果の一つといえると思います。

この目標には、出演者側・視聴者側それぞれに向けたいくつかの目的があります。
これは、実際にイベントで披露したしゃべりの内容が操作メモ+解説という構造になっていた理由の一つでもありす。

メモを音として聞くプレイング

画面から目を離せないようなゲームの RTA の場合はチャートなどのメモを記憶するしかない、という認識が少なからずあるように思っています。
しかし、音声によってメモを読み上げてくれるツールを利用することで、目を離さないままくても音で聞くことができるようになる訳です。

このような RTA 補助ツールがすでにあり、このようなプレイスタイルが可能であることを示したかったのです。

解説者不在でも自分のリソースを消費しないで解説

視聴者の理解を助けるために解説をしたいけど、プレイに集中したいので自分では解説ができない。しかし、解説を人にお願いしようにも、自分しか理解している人がいないとか、解説者の予定が合わないとか、何らかの理由で解説者が用意できないというケースを時折見かけることがあります。

そのような場合でも、合成音声を使って解説するという選択肢があること、このようなスタイルでも視聴者に受け入れてもらえるということを示したかったのです。

タイム的な目標

前述の 2 つの目標と比べると優先順位は低いですが、イベントの場で RTA を披露する以上はもちろんタイム的な目標もありました。

結果的には本番でのタイムは 04m 40s で 3 つある目標のうち第一目標はギリギリ達成できませんでしたが、第二目標は達成できました。

緊張で手が震えたままプレイしていたことを考えると、十分なタイムが出せたんじゃないかと思います。

3 つの目標タイム
  1. 04m 40s 切り
  2. 30 回平均切り(04m 43s)
  3. 最悪でも 04m 50s は超えない

イベントに向けた練習を重ねるにつれて PB を更新し、平均タイムも短くなっていったため、具体的なタイム目標はイベント直前に決めました。

ほぼミスなしで通すことができれば 40s 切りできるので、これを第一目標、理想的な目標タイムとしました。

平均タイム切りは割と早い段階でほんばんでの目標タイムにしようと考えていて、これを第二目標としました。
本番前日の段階で第一目標とのタイム差が 3s しかない状態になっていて、第一目標とこちらの目標のどちらかを考え直そうかと思いましたが、結局はそのままにしました。

練習で出してきたタイムから考えて「これより遅いタイムが出た=あまりにひどい内容」ということで、最悪でも 50s は超えないことを第 三目標としました。
とはいえ、イベントに応募した時の PB が 04m 49s だったことを考えると、かつての PB くらいのタイムが最悪想定のタイムとできるほ どに早いタイムが出せるようになったのだなと、ちょっと感慨深いです。

採用されてから本番まで

正直、採用されると思っていなかった

運営さんに向けて、採用していただき本当にありがとうございました。

全年齢モードでプレイするとは言え年齢制限のあるゲームだし、RTA 的には事前の解法考える部分で大部分が決まりプレイそのものは単純な精密操作ゲーなので見栄えに乏しいと考えているので、正直、まさか受かるとは思っていませんでした。
(当落発表の前の時点で落選コメントのみ準備していたくらいには、当選するとは思っていませんでした)

当時用意していた落選コメント

まあ、落選自体はある程度そうだろうなと思っていたので想定内

イベントの場で披露できないのは残念ですが、このゲームはパズルゲームとして超おもしろいと自信を持って言えます

今回私が応募したことが、ひとりでも多くのかたがこのゲームの存在を知るきっかけになったのなら嬉しいです


いまさらだけど、運営さん向けのコメントだけでなくて紹介文でも公式プロモムービーへのリンクを書いておけば良かったかもしれない
プロモムービーは全年齢向けで大丈夫な内容だし、ゲームの魅力がしっかり伝わる内容


採用してくださった最大の理由はパズルゲーとしての魅力が評価されてでは? と思っていたり。
落選するだろうなという思いはあっても、説明文は本気で考えて書いていて、最初に応募してから応募締め切りまでの間に何度も文章を調整しました。

可能な限り毎日練習

当落発表があったのが 09/16 で、その翌日の 09/17 から本番までの間は毎日練習することにしました。

プレイヤースキルは高くないという自己評価をしているので、とにかく何度も通して操作を身体で覚えないと本番で良いプレイができないのです。
プレイを安定化することを目的にした練習なので、極力リセットしないで通すこと、平均タイムを早くすることを意識しました。

本番前日の段階で直近 30 回の平均タイムが 04m 43s となっていて、イベントに応募した時の PB が 04m 49s だったことを考えると、かなり安定して早くクリアできるようになったと言えます。
PB 更新を意識した練習ではありませんでしたがプレイが安定してきた結果として、毎日練習を始めてから本番までの間に 5 回も PB を更新することができました。

合成音声による解説のためのツール

イベントの中では単に「RTA タイマーがしゃべる」とだけ説明しましたが、では、どうやって実際にそれを実現しているかについてここで説明します。

Livesplit

タイマーは定番の Livesplit で、いくつかの拡張機能を使用しています。

Speed Guides Live

拡張機能の 1 つ目は Speed Guides Live (SGL) で、テキストのメモを区間ごとに表示できる機能です。

Speech_Yomiage

拡張機能の 2 つ目は Speech_Yomiage で、タイマー操作のタイミングで指定したテキストを合成音声で読み上げる機能です。

Autosplitter

さらに、Autosplitter でタイマー操作を自動化して、プレイに集中できるようにしています。
Autosplitter そのものは Livesplit 本体の機能ですが、自動化のための制御ファイルは自分で作っています。


これらを組み合わせて、区間送りを自動化しつつ、Speed Guides Live の区間ごとのテキストを区間が切り替わったタイミングで Speech_Yomiage で読み上げています。

合成音声は Windows 10 に標準で付属している日本語音声「Haruka」を利用しています。

Speech_Yomiage は SofTalk と連携することもできるため、Windows に付属している音声に加えて SofTalk で利用できる音声を選択することもできます。

ちなみに、今回は前述の目的があったのでやりませんでしたが、操作メモの読み上げはプレイヤーだけが聞いて解説の読み上げは配信に載せる、ということもできたりします。

Speech_Yomiage は読み上げ音声の出力デバイスを指定できるため、Livesplit を二十で起動して、片方は操作メモ読み上げ用、もう片方は解説読み上げ用の設定をすれば実現できます。

ネタバレ防止で隠した内容

隠しメニューの存在を隠していました。

カスタムステージをプレイする際に隠しメニューから選択する必要があります。
カスタムステージという機能自体は公式に公表されている情報であり隠す必要はないと思っていますが、実際にゲーム内でカスタムステージをプレイするために経由する必要のある隠しメニューの存在は間違いなく隠し要素だと思う訳です。

デモプレイの前後で、画面上は何の変化もないけどカーソル移動の音がしている部分があります。そこで隠しメニューを隠しながらメニュー操作をしていました。

EST としてではなく枠としての時間申請

書き忘れていたので追記

デモプレイまで全て含めて 10 分と明記して応募した以上は、10 分以内に収まるように意識していました。

私は「全て含めて」枠として申請した意識でいるので、この時点で RTA イベントにおける一般的な EST の考え方とはズレています。
なので、あくまで自分はこうしたというだけのことであって、他の出演者さんに対してもこうあれとかそんなことは一切ありません。

大学の時に先輩から教わった発表のポイントをベースにしてデモプレイ+RTA という構造を組み立てていて、用意された時間の枠内に収めることも自分の中では当然という意識がありました。

10 月に入ったくらいで画面を隠したり進行案内したりするための画像が用意できてきたので、本番と同じようにデモプレイをしてから RTA をする、という構成での練習を開始しました。

RTA 用のタイマーとは別にフリーソフトのストップウォッチを使って時間を計り、ちゃんと 10 分に収まるような進行のペースを体で覚えていきました。
ここらへんのペース構築のめやすなんかも大学で教わった発表のポイントをベースにしています。

練習では実測値でだいたい 09m 15s ~ 09m 30s くらいで、本番でもトランジションからトランジションの間の時間が 09m 40s くらいだったので、だいたい狙った通りの時間にすることができたと思います。

最後に

私は基本的に視聴者のほうを向いていない傾向が強いので、自分がやりたいことを軸にすることが多いです。
今回であれば「このゲームをアピールしたい」というのが軸な訳です。

自分をアピールするためにイベントに出ることはおそらくないと思うので、次にイベントに応募するとしたら今回と同じくアピールしたいゲームがあるときになるかと思います。
なので次の応募がいつになるかは分かりませんが、その時はその時でまた他のかたとは違った魅せ方をするのだろうと思います。

普段は RTA のプレイヤーとしてよりも RTA の補助ツールを作る活動をしていることが多いので、視聴者さん側よりもプレイヤーさん側からの知名度のほうが高いような気もします。
Livesplit の拡張機能とか、Livesplit 自動化のための制御ファイルなどを作って公開しているので、ご興味があればお試しください。

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