デニム生地の匂い落とし

これまではユニクロのカーゴを買っていたのですがここ数年間は店頭で見かけず、久々に店頭に並んでいる!と思ったらデザインが好みではなかったという悲しい現実。

デパートなどでも探してはいたのですが1本1万円に届きそうなくらいのものしか見かけず、予算に合わない。

そんなわけでワークマンデビューです。
なんてったって作業着に強いイメージのワークマンです、カーゴパンツだって置いているはずです。増税前のタイミングでお店に行って買い溜めです。

しかし、そこで買ったカーゴパンツの内デニム生地のものがやたらと匂います。ユニクロではこんなことなかったのに……

部屋干しすると気分が悪くなってきます。

デニム生地、匂い、などで調べてみると安価なデニム生地で使用されている染料が残っていることが匂いの原因らしく、いくつか落とし方があるということが分かりました。
いくつかのページを見てみたところ重曹、酢酸、熱湯の3種類が紹介されています

使う水が少なく、漬けたまま冷めるまで放置しても問題なさそうなので楽そう、という理由で今回は熱湯に漬ける方法を採用しました。


温度については「熱湯」とだけ書かれたページとか、60度とか、70度とか、これまた色々あったので、とりあえずバスタブにカーゴパンツを入れて給湯器を70度にして給水。

泥水でも被ったのかってくらいにお湯に色が付いてきます。
すでに何度か洗濯機で洗ってるのに。

バスタブに色が付いて取れなくなるのでは、と心配になったのですが、幸い、バスタブには影響ありませんでした。
熱を加えることで化学的に結びつくタイプだったらかなり面倒なことになっていた可能性がありました。


が肝心の匂いはというと、冷めるまで待って絞って乾かしていると漂ってくるのです。ならばもう一回、と二度目の熱湯。

一度目よりは匂いが弱くなったものの、やはり干していると仄かに漂ってきます。


ここまで来たなら徹底的にやってやる。
3回目、4回目、……もみ洗い、もみ洗い、もみ洗い!

さすがにもみ洗いは熱水じゃなくて温水でしたが、やってもやっても色水出てくるぞ、これ。米の研ぎ汁か?

ある程度のところで切り上げて、絞って干します。
まだ匂いがするものの嗅いだことある匂い。そうか、これまでにも染料の匂いを嗅いだことがあったのか。

という訳で、許容範囲に入ったものとして、これで使ってみることにします。



匂いの原因は、デニム生地を染めるのに用いられる硫化染料が生地に残っているためのようです。
硫化染料は安価なので安価なデニム生地に使用され、さらにコスト削減で余分な染料を落とす洗浄工程も十分に行われないことで、染料が残った製品になってしまうようです。

硫化染料自体は水に溶けない性質があり、アルカリで化学反応させて水に溶かしてから繊維にしみこませ、酸で化学反応させて再び水に溶けなくなりると同時に発色するようです。

元々が水に溶けにくい性質を持っているので、水による色落ちに強いという特徴があります。

参考にしたページで紹介されている染色の工程を見ると、染料液に漬けた後、水とお湯で洗い、酸性の液で酸化させ、最後にアルカリ性の液で洗浄しています。

あくまで予測ですが、水とお湯は余分な染料を洗い落とすため、酸性液は酸化により非水溶性に戻すと同時に発色をさせるため、最後のアルカリ性の液での洗浄は酸の中和、といった目的でしょうか?

最後のアルカリ性の液は、染料の結晶化を促進させる効果もあるようです。この結晶化によって、より水に溶けにくい性質が強くなるようです。


重曹=炭酸水素ナトリウム、ソーダ灰=炭酸ナトリウム、いずれも熱水に溶かすと炭酸ソーダになります。
酢酸は、食用の酢にも含まれていますが他の成分も含まれているので、食用の酢をそのまま使っても良いものでしょうか?

匂い対策として紹介されていた3つの方法がこの工程のどれかに対応しているようにも思えたのですが、同じ働きをしているのは熱湯だけなのではないかと思います。
工業レベルで使用している化学薬品の濃度やhpと、家庭レベルのものが同じではないだろうという思い込みだけの判断ではありますが。

水だろうとお湯だろうと溶けないものは溶けないので、水とお湯の違いは繊維をより柔らかくすることで染みこんでいない染料を洗い流す効果が大きくなるから、だと考えます。

重曹はその消臭効果で匂いを消しているという説明もありましたが、重曹の消臭効果は酸性の物質由来の匂いに対して効果があるものなので、硫化染料は酸性の匂い物質?

まあ、おそらく温水に溶かしたときの発泡作用が熱水洗浄の効果を上昇させているのではないかと考えます。


酢は、デニム生地の色落ちを防ぐと書いてあるページがあれば、逆に重曹よりも色が落ちやすいと書いてあるページもあります。

酢にも消臭効果がありますが、化学的には重曹の逆、アルカリ性の匂い物質に対して効果があります。同じ硫化染料に対して、重曹でも消臭効果、酢でも消臭効果と言っている時点で矛盾があるように思うのですが……

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