神速Excel ダイヤモンド社
まず初めに、この本は単純に「作業者の作業速度を高速化する」ためのもので、実際にExcelをキーボードのみで操作しながらセルの移動・選択やショートカットキーなどを体で覚えるためのトレーニングブックです。
本屋に行くと似たタイトルで「課題に対して適切な関数やマクロを紹介する」ための本もあるため、目的に合った本を買いましょう。
見開きにしやすい製本
この本は見開きにしても勝手に閉じない製本をしており、内容だけでなく物理的な部分も非常に機能的です。(コデックス装という製本のようです)
ただ、この製本の特徴なのか、数ページおきに比較的見開きにしにくいページがあるのが気になります。(それでも普通の本よりもはるかに見開きにしやすいです)
また、キラキラしたホログラムで非常に目立つカバーなので、Excel本コーナーの中で強い存在感がありました。
体で覚えることが大切
本文中にも何度か書かれているように、操作を体で覚えてこそキーボード操作の効果が最大限発揮されます。
そこで、この本には練習用のExcelファイルが用意されていて、配布ページからダウンロードすることができます。
Excelファイルを実際に操作をしながら読み進めることで、効果を体感し、かつ繰り返し練習もできるようになっています。
リボン形式のメニューになってから項目の横にショートカットキーが書かれることが少なくなったためか、初めて知ったショートカットや初めて見たダイアログもありました。
冒頭にトレーニングブックと書いたように、この本は1回読んでお終いというものではないと思います。繰り返し操作を練習して、考えなくてもできるようになるための努力が必要にでしょう。
覚えきれないほどのショートカット集
本の最後にショートカット集が掲載されていて、Excel風デザインの表に200個のショートカットが並べられています。
本文中では出てこなかったショートカットも収録されているのですが、このショートカット集はダウンロードしたExcelファイルには含まれていません。
一応「大項目」という列で分類されてはいるのですが、数ページにわたって羅列されているだけという印象が強く、項目の配置をある程度覚えなければ探しにくく感じます。
使用頻度は少ないが覚えておきたい項目を抜き出す、使用頻度が高く覚えておきたい項目を抜き出し覚えたものから消してゆく、ある作業に必要なものを抜き出して手順ごとに並べる、など「自分に合わせて編集する」という操作の練習にもちょうど良い題材だと思うので、このショートカット集もExcelファイルとして配布してくれていると、より嬉しかったなと思います。
全体的に良いために、些細なことが欠点に
他の本とは異なる視点でExcel操作の高速化を提案してくれる本で、内容だけでなく製本なども含めて非常に機能的な良書だと思います。
ただし、人によって感じ方は異なると思いますが、全体的に良いからこそ、些細なことが欠点に感じてしまう本とも思います。
似たタイトルで全く異なる内容の本が多いこと、見開きしやすい中の開きにくいページがあること、ショートカット集はダウンロードデータに含まれていないことと、実際は他の本と比べて良いはずの部分がこの本の中の他の部分と比べると欠点に見えてしまうのです。
もう少し普遍的な欠点を強いて上げるならば、本人の努力が必要なことくらいだと思います。
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