RTA コミュニティの中でも交流アイテムとして名刺が広まってきました。
RTA プレイヤーとしての名刺に SNS アカウントや配信チャンネルを示す情報を載せている方が多く、そこで QRコードが利用されています。
しかし、受け取った名刺の QRコードを読もうとしても読めなかった、読めたけど苦労した、といった声を聞いたり実際に経験したことはありませんか?
この記事では、名刺に載せた QRコードを相手のかたが苦労なく読めるようにするためのポイントを解説します。
注意したいポイント
QRコードの1セルは 0.28mm 以上
QRコード周囲の余白は読み取りに必要
白黒が基本
誤り訂正レベルは M が一般的
QRコードの中にアイコンなど入れるのは非推奨
QRコードの隣接配置は避ける
QRコードを使用する際の注意点はこちらも参照
絶対NG!チラシのQRコードでやりがちな5つの注意点
印刷会社がこっそり教えるQRコード制作のポイント!表記には要注意?
QRコード(二次元コード)印刷の注意点・3つのポイント
QRコードの色変更!抑えるべき3つのポイント
細かい説明
もくじ
QRコードを構成するセル
QRコードの大きさは 21*21 セル から 177*177 セル まで 4 セル間隔で 40 種類あり、この大きさのことをバージョンと言います。
QRコードにおけるバージョンは大きさを表す単位であって、ソフトウェアなどの改訂・更新と関連したバージョンとは意味が異なります。
最小の 21*21 セル がバージョン 1、次の大きさの 25*25 セル がバージョン 2、その次の 29*29 セル がバージョン 3、……、最大の 177*177 セル がバージョン 40 です。
このバージョンによって QRコードに格納できるデータの量が決まるため、QRコードに含めたいデータの量が多くなればそれだけバージョンも大きくなります。
参考
周囲の余白クワイエットゾーン
QRコードの周囲の余白のことをクワイエットゾーンあるいはマージンと言い、四辺それぞれに 4 セル分以上必要とされています。
QRコード化された文字を読み解く以前の段階、それが QRコードかそうでないかをプログラムが判定する際に、QRコードの余白が重要な働きをします。
つまり、周囲の余白がなければそれが QRコードだと判定されないため、QRコードを読めないトラブルの原因となり得ます。
参考
白黒ではっきりとした濃淡
QRコードの色は白黒が基本です。
あくまで「推奨」なので色を変更することもできますが、色を変更したい場合はセルの色と下地の色とで濃淡を明確に分けるように注意しましょう。
また、複数色のインクを使った色は避けましょう。例えば、オフセット印刷で見当ズレが発生した際に QRコードが読めなくなる原因となり得ます。
黒を使う場合でも注意が必要です。黒は K100% にして、リッチブラックのような他の色を含む黒は避けましょう。
QRコードスキャナによる読取を想定する場合、QRコードスキャナは赤色光の照明が使われているため、QRコードの色や下地の色を変える際に赤色を反射する/しない色の組み合わせにしましょう。
参考
絶対NG!チラシのQRコードでやりがちな5つの注意点
QRコード(二次元コード)印刷の注意点・3つのポイント
QRコードの読み取りについて
グレースケール(K1色)への変換
第71回 QRコードが読めない!
QRコードを白黒以外の色(赤、青など)で印刷しても問題ないですか?
汚れに強い誤り訂正機能
汚れなどで QRコードの一部が正常に読めなくなっても、正常でない部分を復元する機能が QRコードにはあります。
復元する能力は 4 段階あり、これらを誤り訂正レベルと言います。
誤り訂正レベル | 復元能力 | めやす |
---|---|---|
L | 7% | あまり汚れない環境・データ量が多い場合 |
M | 15% | 一般的な環境 |
Q | 25% | 工場など汚れやすい環境 |
H | 30% | 工場などで特に汚れやすい環境 |
誤り訂正レベルが高くなるほど QRコードの容量を復元情報に使うため、同じテキストを QRコード化したとしても誤り訂正レベルが高い QRコードは大きいバージョンが必要になり、QRコード自体も大きくなります。
M が一般的な誤り訂正レベルとのことですが、どれくらい汚れる状況なのか、QRコードに使える面積はどれくらいかなどによって適切なレベルを選びましょう。
誤り訂正レベルを決める際は次のようなポイントを考慮しましょう。
- 印刷機の性能や印刷する下地の特性(光沢やにじみやすさなど)による QRコードの品質はどれくらいか
- QRコードを読取るまで粘ってもらえるか
- 読取りができず諦めた後に、再度読み取ろうとする人がどれくらいいるか
- デザイン上の制約などによるQRコードの大きさの上限はあるか
その他に、名刺を持ち運びする際に印刷面が押された状態でこすれたり、濡れて印刷がぼやけたり、時間の経過によって手の油や汗の汚れが出てくるなどで QRコードが汚れる可能性が考えられます。
誤り訂正機能の効果範囲
誤り訂正レベル M であれば 15% の復元能力を持っていますが、では、どの範囲の 15% なのでしょうか? QRコード全体の 15% ではありません。
QRコードには大きく分けて 2 つの部分があって、ひとつは四隅にある 3 つの四角い模様(ファインダパターン)や周囲の余白(クワイエットゾーン)などそれが QRコードであることを示す部分、もうひとつは QRコードに格納されたデータの部分です。
誤り訂正機能はこのデータ部分を復元できる機能です。
そのため、例えば QRコード四隅にある 3 つの四角い模様が汚れていたり、周囲の余白が汚れている場合などは QRコードであること自体が認識されず、誤り訂正機能も働きません。
参考
誤り訂正機能について
誤り訂正レベルの目安
JIS X 0510 附属書 K.2
「QRコード」ってどういう仕組み?種類や歴史、使用時の注意点などを解説
QRコード Deep Dive ーデータ符号化とか誤り訂正とかー
QRコードの誤り訂正の限界について
QRコードを徐々に消していく“闇のゲーム” 実際どこまで消しても読めるのか
イラスト入りの QRコード
中にイラストなどが入っている QRコードを見かけることがあります。
イラストなどを書き込むためのスペースが用意された「フレームQR」という QRコードもあるのですが、普通の QRコードの誤り訂正機能を利用しているものもあります。
誤り訂正機能を利用したイラスト入りの QRコードは、悪い言い方をするなら最初から汚れている状態です。
QRコードの規格にも適合していない状態であり、非推奨の使い方とされているので注意しましょう。
しかし、イラストを入れるなら正規で用意されているフレームQR を使うのが良いと思うのですが、フレームQR はあまり情報が出てきません……
アイコン入りの QRコードを手軽に使いたい場合、現状では非推奨の方法であることを受け入れて使うしかなさそうです……
参考
実用上の大きさのめやす
データ量やデータに含める文字の種類、誤り訂正レベルによってバージョンの下限が決まります。想定するプリンタと読取機の能力によってセルのサイズを決めます。
これらによって、QRコードの大きさが決まります。
印刷機と読取機の性能
印刷機の性能から考えた最小サイズと読取機の性能から考えた最小サイズのうち、大きい方が実用上の最低ラインのサイズと考えられます。
印刷機の性能から考えた最小サイズ
印刷機がどれくらい細かく印刷できるかを示した性能が解像度です。
ここでは 360dpi のプリンタを例に計算してみます。
360dpi は 1 インチあたりのドットの数なので、これを 1 ドットあたりのミリメートルに変換すると 25.4/360=0.071mm/ドット となります。
QRコードの 1 セルは 4 ドット以上で印刷することが推奨されているため、0.071*4=0.28mm/セル が印刷機の性能から考えた最小サイズと言えます。
印刷機によっては 360dpi とは限らないため、この計算はあくまで一例であることにご注意ください。
読取機の性能から考えた最小サイズ
読取機がどれくらい細かいものを識別できるかを示した性能が分解能です。
例えば、標準タイプの QRコードスキャナの分解能は 0.25mm で、これより大きいサイズのセルを必要とします。
携帯電話で読み取る場合、機種によって分解能が異なるとは思いますが、各キャリアからセルサイズの推奨値が出ているらしいです。
NTTドコモは 0.28mm 以上、au とソフトバンクモバイルは 0.25mm 以上とのことです。
(ただし、一次ソースまで確認しておらず、いつの情報かも分からないので、今現在もこの通りとは限りません)
最小サイズのめやす
印刷機と読取機それぞれの性能から考えた最小サイズは、今回の例では 0.25mm or 0.28mm でした。
この中で最大のものは 0.28mm なので、セルのサイズは 0.28mm 以上にするのが良いという結果になりました。
この計算はあくまで一例で、想定している印刷機や読取機の性能によって変わってきます。ご注意ください。
最大サイズのめやす
QRコード全体が読取機の視野に入り、かつ、その状態で読取機の分解能で QRコードのセルを識別できる必要があります。
スマホで読み取る場合を想定するなら、QRコードのバージョンは最大 10(57*57セル、誤り訂正レベル M にて英数字 311 文字まで)、QRコード全体の大きさは 20*20mm 以下にすると良いらしいです。
QRコードの大きさの計算例
英数字 50 文字の URL を QRコード化する場合を考えてみます。
誤り訂正レベルは一般的な M で考えてみます。
バージョン 3(誤り訂正レベル M において英数字 61 文字まで)なら容量が足ります。
バージョン 3 は 29*29セル です。
周囲の余白 4 セル分を含めると 37*37セル が QRコードの大きさです。
1セルのサイズを 0.28mm にしたとします。
37*0.28=10.36 なので、QRコードの大きさは 10.36*10.36mm です。
QRコードの大きさのめやすとして 15*15mm とか 20*20mm などと書かれている web ページなどもありますが、大きさを決める順番が逆だと思っていて、セルの最小サイズを決めた結果として QRコードの大きさが決まります。
参考
QRコードの隣接配置に注意
QRコードが隣接して配置されていると、読みたいほうの QRコードが読み取れないことがあります。
QRコードを読み込みたいのに認識しないのはそれなりにストレスで、読み取りを諦める理由にもなり得ると思います。
QRコードを複数配置したい場合は、めやすとして間に QRコード 1 つ分の距離を取ると良いです。
ただし、あくまでめやすであって、QRコードの大きさによっても変わってくることに注意しましょう。小さい QRコードの場合は 1 つ分だと足りないかもしれません。
隣接した QRコードを読み取る場合、QRコード開発元のデンソーが公開している読み取りアプリクルクルがおすすめです。
照準を合わせた QRコードを読み取る機能を ON にすると、意図した通りの QRコードを読むことができるので便利です。
あるいは、SNS や配信チャンネルへのリンクをまとめた web ページを作っておいたり、配信チャンネルの中に SNS の URL も記載しておくなどして、ご自身の代表ページを用意しておいて、名刺に載せるのはその代表ページの URL の QRコードのみにするという方法もあります。
参考
※「QRコード」「フレームQR」は株式会社デンソーウェーブの登録商標です。
※この記事中の QRコードの読める・読めないは表示・読取環境によって変わる場合があり、読めること・読めないことを保証するものではありません。
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