文字機能の観点から考えた LiveSplit に適したフォントの話



はじめに

LiveSplitで「文字の見やすさ」という機能性を重視したときにおすすめするフォントの紹介です。

この記事では「ゲームのイメージに合わせたフォントを使用したい」など、デザイン性を重視する場合を考慮しておりません。

ただし、最後の使用できないフォントについてはどちらの場合にも関係する内容ですので、目を通していただけると幸いです。


初期設定のフォント

私は Windows7 環境で使用しており、LiveSplit の初期設定フォントは Segoe UI でした。Segoe UI は WindowsVista 以降に搭載されている半角英数用のフォントで、日本語は含んでいません。

このまま日本語を入力した場合、実際に表示されるのは日本語用フォントとして標準設定されているフォントになるものと考えられます。
(フォントに含まれていない文字を表示するしくみについてはこちらを参考)

例えば、Win7 標準の日本語用フォントはメイリオです。
試しに LiveSplit のフォント設定が Segoe UI のままの時とメイリオに変更した時とを比べてみると、どちらも日本語部分はメイリオで表示されていることが分かるかと思います。


左:Segoe UI を設定、右:メイリオを設定
全体の高さが違うのは、フォントサイズが高さに影響するためです。
ここでは比較しやすいように、左右のフォントサイズを同じにしています。



おすすめのフォント

RTA などでゲームのプレイ中にタイムをチラ見する場合が想定できるため「瞬時に文字を判別できる性質」に優れたフォントを使用することが望ましいと考えます。

また、特にラップタイムなどは文字サイズの設定が小さい場合が多いため「小さい文字でも見やすい性質」に優れたフォントを使用することが望ましいと考えます。

この条件に適したフォントの候補として、視認性が高いフォント、判読性が高いフォント、ユニバーサルデザインフォントが挙げられます。

Windows に標準で付属していて「手軽に使用できる」という条件も追加すると、Vista 以降であれば「メイリオ」、8.1 以降であれば追加で「游ゴシック」、10 以降であればさらに追加で「BIZ UDPゴシック」がおすすめです。


また、10 より前の Windows でもモリサワの公式サイトから「BIZ UDPゴシック」を無料でダウンロードして使用できます。

「游ゴシック」については Microsoft が無料配布していますが MS Office で使用する前提のようなので、8.1 より前の Windows で MS Office 以外に使用するのは避けておくのが無難だと思います。


注意点

2行表示をする場合、フォントによっては1行目の文字と2行目の文字が重なってしまう場合があります。
また、文字の上下と項目の区切りとの余白が無い場合もあります。

行間や余白の変更ができず、結局フォントを変える以外の解決方が分かりませんでした。


左:2行表示をした例、右:1行表示をした例
どちらもフォントはBIZ UDPゴシック


使用できないフォント

フォントの種類によっては、LiveSplit で使用することができないものがあります。

Adobe と Google が共同開発した、有償フォント水準の機能を持った「源ノ角ゴシック」というフリーフォントがあるのですが、インストールしても LiveSplit のフォント一覧に表示すらされませんでした。

このフォントの拡張子は otf で、「OpenType の PostScript Outline 形式」のフォントです。

他のソフトにも PostScript Outline 形式のフォントが一覧に表示されないものがあったため、おそらく、ソフト自体がこの形式のフォントに対応していないものと考えられます。


一方、Windows で一般的に使用されているフォントの拡張子は ttc や ttf で、「TrueType の TrueType Outline 形式」のフォントです。メイリオや BIZ UDPゴシックもこれにあたります。

また、游ゴシックの拡張子も ttc ですが、「OpenType の TrueType Outline 形式」でメイリオなどとは違いがありますが、一般的な使用範囲では大きな差はないと考えてよいと思います。

(拡張子とフォントの形式についてはややこしいので、詳細はこちらをご覧ください)

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