更新日2025/03/24

ATRI -My Dear Moments- をクリアしたという記録1

公式サイト


記録1(ここ)
記録2(ネタバレあり)
記録3(アニメ版について)


もくじ



07/18(土)

この作品のことを偶然知り興味を持つ。
体験版があることを知り、先にそちらで雰囲気を体験することにした。

起動した。
彼女より、
「この星は沈みゆこうとしてる――」
との言葉。

07/22(水)

主役の2人ともが可愛いのは自明である。
ゆえに、この一連の記録の中ではそれについて言及する意思はない。

普通の感想などは、他の方による記録を参照のこと。

07/28(火)

体験版で読める量が想定よりも多く、価格から推測される全体のボリュームに対してここまで体験できてしまえることが理解不能。

08/02(日)

体験版を終え、そのまま製品版を開始した。
セーブデータの引き継ぎを試したところ、読み込みに成功。
ただし、マニュアルなどにはデータの引き継ぎについては記載されていないため、自己責任での行為である。

最後のセーブデータの位置から体験版の終了位置に戻る際に、演出が強化されていることを確認。
体験版で読み進めた範囲で他にも強化されている演出があるものと推測。
始めから製品版にしておいた方が高い没入感を得られたものと推測。

(日付はそれっぽさを演出するためのフィクションで、実際のプレイ記録とは関係がありません)

感想

全体的な感想

とても感動し、とても泣けるお話でした。

ただただあの優しさに満ちた作品世界の空気を感じていたい、という気持ちが湧き出てきて、クリアしてからも数日間はこの作品の余韻に浸っていたくらいに良い作品です。

作品世界に強く引き込まれて、あまりに感情を刺激されすぎて、数日間、眠れない日が続いたという事実。(眠れない日々はこの作品だけの影響じゃないけど、最後の一押しはこの作品)

この記事を書くために2周目をプレイしたのですが、先の展開が分かっていてもやはり涙が流れてきます。
 各キャラクターの心のうちをより意識して読み進めていたために、むしろ2周目の方が心に強く響いたシーンもありました。

ルビーのような深紅の

加筆分

この感覚に一度とらわれると抜け出せない気がしたので最初は記事に含めずにいましたが、これもまたこの作品に対して私が抱いた感想の一部なので、色々加筆したこのタイミングで追加しました。

意識し始めると気になってしまうタイプの内容なので一応隠します、ご注意
拝見した感想記事の中ではあまり言及されていなかった印象があるので自分だけの感覚なのかもしれませんが、アトリの立ち絵を見ているとアトリの瞳の中に人影が映っているように見えて、そこに自分がいるような感覚があって、それもまた、この作品に魅せられた要因のひとつなのかもしれません。

アトリが見ているのは自分だなんて言うつもりは一切ないしアトリの前にいるのは夏生なんだけど、夏生を見つめているアトリの瞳を、夏生の視点を通してプレイヤーが観測することができるとでも言うのか。

アトリの瞳からそんな感じの印象を受けることで、自分自身がまるでそこにいるかのような、作品世界の中に深く入り込んでいるような没入感がより一層強くなっているように思います。


気に入ったなら体験版の途中でも製品版を買うべき

この作品に興味を抱き体験版をやってみようと思ったなら、体験版の最後まで行かなくても作品が気に入った時点で製品版を買ってしまった方が良いと思います。

体験版(ver1.1)→製品版(ver1.3)とプレイした際、体験版の仕様によるものなのかバージョンの違いによるものなのか、演出の強化とSDキャラ絵が追加されていることを確認したので、だったら最初から製品版をプレイしたほうが作品世界へのより大きな没入感を得られると思います。

システム

ノベルゲーやるのがだいたい7年ぶりと久しぶりすぎて、システムの進化を感じました。

もともとノベルゲーはそんなにやる方ではないので、もしかすると私が知らなかっただけで7年前の時点ですでに存在している機能だったりするのかもしれませんが、ボイスを保存できたり、読み上げソフトとの連携ができるのは便利ですね。

バックログの画面からシーンセレクト画面を開くことができて、任意のチャプターの先頭にジャンプすることができます。
 あのシーンをもう一度、という時にすごく便利ですが、どうやら現在より先に進んだチャプターは選択肢に出てこない様子。あくまでバックログの派生機能ということなのでしょう。

システム面についてはこちらのレビューで詳しく説明されています。
フロントウイング×枕のアニプレックスエグゼ初陣作、『ATRI -DEAR My Moments-』体験版感想・レビュー

シナリオプレイヤーが欲しい

個人的には、ノベルゲーにはシナリオプレイヤーが欲しいです。

シナリオプレイヤーというのは、簡単に言うと物理本の良いところをノベルゲーにもたらしてくれるシステムで、もくじ機能、全体の文章に対しての現在位置・セーブデータのある位置・イベントCGが表示される位置が分かる機能、動画プレイヤーなどのシークバーのように現在位置を前にも後ろにも任意の量だけ移動できる機能があります。

シナリオプレイヤーを実装しているノベルゲーがどれくらいあるのかは把握していないですが、個人的には、全てのノベルゲーに標準装備して欲しいくらい便利なシステムです。(おそらくは SORAHANE の独自システム)

読み進めている時は次の区切りの良い位置まであとどれくらいかを知るために使ったり、読み返す時は目的のシーンにたどり着くために使ったりとすごく重宝します。

心に影響が残った方々の感想記事

この作品に心打たれてしばらく引きずっていたのは、私だけではありませんでした。
それだけ魅力のある作品です。

一週間以上引きずるほど心打たれた

この喪失感すら愛おしい。『ATRI -My Dear Moments-』をレビュー。

ずっと引きずってる

「ATRI -My Dear Moments-」クリア感想(ネタバレあり)

終わったとき、とてつもない虚無感に襲われました

「ATRI -My Dear Moments-」の感想

万人受けしやすい王道な作品

ノベルゲーをやり慣れていると思われる方の感想をいくつか拝見した感じでは、そういった方にとっては目新しい要素が少ないという理由で、私の体感よりも割と低めの評価がなされているように見えます。

それはつまり、万人受けしやすい王道なつくりと読み取れる訳で、少なくとも名作以上の作品だと私は思っています。

原作のノベルゲーとコミカライズ版とアニメ版とがあるけど、これから体験するならどれがいい?

3回目の加筆

原作はノベルゲームで、そのメディア展開としてコミカライズ版とアニメ版とがあります。

この作品に初めて触れようとしているかたに向けて、どれかひとつだけ体験するならどれがおすすめかを考えてみました。
 ひとつに手を出してみて気に入ったなら他のバリエーションにも手を出してみると良いのではないかと思います。

個人的なおすすめは原作

どれかひとつを選んで体験してみようとなったなら、ノベルゲー自体が苦手とかでないならば、個人的には原作をおすすめします。作品体験の満足感が圧倒的に違います。

原作のノベルゲーは PC 版の他、Switch 版とスマホ版があります。

設定やシナリオの重みというのか密度というのかそういった部分で原作が最も濃密で、作品世界への没入感だったり、シナリオを最後まで見届けたときの胸に込みあがってくる想いであったり、お話が終わってしまったという脱力感・虚脱感だったり、そういった自分自身の感情を大きく動かされます。

フルプライスのノベルゲーと比べれば値段相応の程よいボリューム感ではありますが、この作品のメディア展開の中では原作が最もボリュームが大きく、お話の最後まで到達するまでに10時間ほどかかります。

設定やシナリオなどの濃密さは悪く言うと物語の複雑さでもあるので、軽い気持ちでさっくりと楽しみたい場合などでは、原作からカット編集されているコミカライズ版であったり、原作とは別設定・別シナリオで再構築されているアニメ版のほうが適しているかもしれません。

原作の雰囲気を手軽に比較的短時間で楽しみたいならコミカライズ版

コミカライズ版は設定やシナリオが原作ほぼそのままで、セリフも基本的に原作そのままです。

おそらくは尺の都合などだと思うのですが、原作の会話がそれなりにカット編集されていて、カット部分を自然につなげるためと思われる調整(セリフはそのままだけどその会話をしている場所が違う、イベント発生までの流れが変わっている、など)もそこそこある印象です。
 原作の雰囲気をしっかりと味わいながらも、原作と比べてテンポよく読み進めることができると思います。

原作やアニメ版よりもコミカライズ版のほうが表情の絵柄の幅が広い印象があって、その緩急というのかシーンの雰囲気をより印象付けてくれるというのか、コロコロと変わる表情がとても豊かで個人的に好みです。
 「ハイ! ハイ、ハイッ、ハーーイ!」の所(コミカライズ版の第4話、原作ではシーン「登校」)は正直原作よりもかわいいと思うのです。

コミカライズ版は全5巻で、おそらくは原作やアニメ版よりも短い時間でお話の最後までたどり着くことができるかと思います。

作品世界の雰囲気をさっくりと楽しみたいならアニメ版

アニメ版は設定やシナリオが原作よりも理解しやすいように再構築されているように感じられるので、さっくりと気楽・手軽に楽しむならアニメ版が良いかもしれません。

配信サイトの月額料金で全話見ることができたり、1話単位でレンタルできたりします。

アニメ版と原作とで設定やシナリオが違っていて、それぞれ独立で楽しむことができます。アニメ版を見たからと言って原作のネタバレになるという訳でもありません。(とは言え、同じタイトルの作品でもあり、おおまかな話の展開はある程度似ている部分があります)
 原作をクリア済みの場合でも、原作とは違ったシナリオを楽しむことができます。

アニメ版は設定やシナリオが原作から改変されていることで酷評する声などもありますが、始めから別設定・別シナリオであることを知っていればそういうものだと受け入れることができるのではないかと思います。

約25分×13話=約5時間25分と、原作のだいたい半分くらいの時間で最後までたどり着くことができます。

その他

抱き枕

原作の公式サイトを眺めている時に抱き枕という単語が見えて、作中のアレかと一瞬だけ思ったのですが普通にキャラクタプリントの枕のことでした。
「枕」にだけ意識が行って「抱き枕」と認識するのが遅れた影響です。

せっかくこの作品でそれをやるなら作中のあのシーンに近い体験ができるような形の、例えば座椅子カバーとかそういったアイテムだとより喜ぶ人がいるんじゃないかとふと思ったり。

カラオケ

アニメ版のOP・EDはカラオケに入っているのですが、原作の2曲はカラオケに入っていません。悲しい。

原作の2曲はアニメでも使われていたのだし、こちらもカラオケに入っていると嬉しいですね。

ふと唐突に思い浮かんだ動画

この作品の事を知ってふと頭に思い浮かんだのが、この動画でした。
 PULLTOP というブランドから発売された年齢制限のあるゲームの主題歌をチップチューンアレンジした曲です。

この作品はフロントウィングと枕という2つのブランドが共同で製作していて、PULLTOP は全く別のブランドです。

実は、そのゲームのシナリオを書いた人が、この作品のシナリオの人だったというつながりがあるのですが、そうと知っていたわけではなくて、本当にふと頭に思い浮かんだのです。
 なにか共通する空気感というのか雰囲気というのか、そういったものがあるのかもしれません。

タイトーくじ

加筆後の加筆

私の自己認識では私はあくまで原作のファンであって、アニメ版については原作とは別設定の良作だと考えています。
 元々キャラグッズに対する関心が薄いこともあって、この作品においてもアニメ版のグッズに特に興味を抱いていませんでした。

しかし、よくよく考えてみたらアニメ版があったからこそ私は原作に出逢えたので、アニメ版にはとても大きな恩があるのです。
 そんな訳でアニメ版のキャラグッズにお金を出してみようという想いが強くなっていき、ちょうどそう想う少し前に発売されていたアトリのくじを買ってみました。

それぞれ別アイテムではありますが、書き下ろしの絵柄は3つとも入手。やったね。
 このくじが引き金となったのか、アニメ版に対する興味が改めて湧いてきつつあります。

今回初めてタイトーくじという商品を知って、実際に買ってみて、くじを引いたその場で賞品をもらえるのに加えて引いたくじ1つにつき web 抽選券が必ず1つ付いてきて、さらに最もグレードの低い賞品だった場合に別枠の web 抽選券が付いてきて、かなり良心的な印象を持ちました。

(あくまでアニメ版のキャラグッズなのでアニメ版について述べている記録3に含めた方が良いのかもしれませんが、作中のシナリオなどとは関係がないので記録1でも特に問題ないかなと思ったのでこの位置に追加しました)

公式のインタビュー記事を読んで

ANIPLEX.EXE

加筆分

インタビュー記事(軽くネタバレになり得る記述があるためご注意)
ANIPLEX.EXEの『ATRI』と『徒花異譚』が目指したものとは。シナリオライターの紺野アスタ氏(フロントウイング)と海原望氏(ライアーソフト)に訊く

ストーリーを楽しむメディアのなかでいちばん没入感があるのがノベルゲームだと思っています
純粋にノベルゲームの魅力を伝えるプロジェクト

他の方の感想記事などから、ATRI -My Dear Moments- と同時発売のもう一つの作品やそれら以降に発売された作品があることは知っていましたが、この作品のことを知ったきっかけの影響で私が関心を持っていたのはあくまでアトリだけで、他の作品のほうには特に興味を抱いていませんでした。
 が、こちらのインタビュー記事を拝見して ANIPLEX.EXE さんの他の作品に俄然興味が出てきました。

だいたい同じくらいの価格帯であり、おそらくは同じくらいのボリュームなのだと思います。

以前はフルプライスのノベルゲーを遊ぶこともありましたが、時間だったり気力だったりが理由で、今ではフルプライスのノベルゲーに手を出しづらくなってしまっています。
 そこで出逢った、程よい価格帯で程よいボリュームでありながら、経験も実績もあるブランドが作ってくれているノベルゲーのシリーズな訳で、非常に信頼も安心もできるシリーズだと思っています。

ANIPLEX.EXE さんから出ている作品はどれも特色がそれぞれで異なっているように思うので、すべてが全て気に入るかは分からないですが、興味をひかれた他の作品もプレイしてみたい気持ちが強くなっています。
 この加筆分を書いている時点ですでにアトリをクリアしてからふた月は経とうとしているのにまだこの作品の余韻が続いている状態であり、まだ余韻を楽しみたい気持ちがあるのですぐに別の作品に手を出しづらい気持ちではありますが、余韻から抜け出せた時に手を出してみるつもりでいます。
(この記事を書いて、さらには加筆をしていることも影響してか、これほどまでに余韻が長く続いているという経験が初めてで、私にとって、それだけ感情を大きく動かされた作品なのです)


関連ページ

記録1(ここ)
記録2(ネタバレあり)
記録3(アニメ版について)

3 件のコメント:

  1. 「感想」に追記
    「公式のインタビュー記事を読んで」を追加
    一部表現を変更

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  2. 「その他」に「タイトーくじ」を追加

    返信削除
  3. 「原作のノベルゲーとコミカライズ版とアニメ版とがあるけど、これから体験するならどれがいい?」を追加

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